マイ愛すくりーむと申します。

『本を読む人と読まない人の違い』、といった記事がweb上にあがってくる昨今、さぞかし『本を読まない自分』にコンプレックス感じる人もいるんでしょうな。
それにしても、


本を読む人は愚かじゃない
本を読まない人は大体愚か


で終わってしまうような内容をブログの記事になるまで長々と書けるブロガーの才能には平身低頭してしまう。

この時点で「愚かとは何事か!」と、憤慨してブラウザバックするような人間はそれこそ愚かなのであり、愚かな余生を全うすればいい。


あなたがどの程度の愚か者なのか、はたまた私ごときを上回る賢者なのか知る由もないが、私も『読書嫌いから読書好き』になった1人なので、日本中の愚か者を救えるかは甚だ怪しいものの、愚かな自分を客観視して焦りだした者達のうち、1人か2人は救えるのではないかと思った。
私も読書嫌いから本読みになった人間であり、そんな自分の経験を共有する事は無意味じゃないだろう。


0・簡単な本を読む

スキーやスノボの素人がいきなり上級コースを滑れるはずもなく、英語を学び始めたときはアルファベットから始めたはずで、何かを学ぶには『簡単なものから難しいものへ』慣らしていく方がうまくいきやすい。

それが読書となると何故か最初から難しい本を読もうとする人がいる。
義務教育で読み書きを習っているので『読み書きにもレベルがある』という事を都合よく忘れているのである。
そう、読み書きにもレベルがある。
私の愚かなブログよりイケハヤ氏のブログがはるかに面白く読みやすいように。

昨日今日ロードバイクを始めた少年がいきなりインターハイに出るなどという所業は少年漫画、それも弱虫ペダルだけの話であり、ノンフィクションを生きる我々の世界では素人は簡単なところから始めるべきなのである。


1・(内容の)薄い本を読む

著者プロフィールがやけに長い書籍や
とにかくタイトルが甘い書籍
アマゾンで不自然に高評価が多い書籍

概ねこの辺の条件を満たす書籍に『内容の薄い本』が多い。
ビジネス書ならぬ、ビジネス書(笑)である。





ビジネス書(笑)からは学べることがほとんどない反面、文字が大きく文章が平易で読みやすい。

この手のビジネス書(笑)はあなたの人生を変えることは決してないし、ましてや夢がかなうこともないが、
まず、本に慣れる
という目的においては良書が多いのである。


2・(物理的に)薄い本を読む


とはいえ、ビジネス書(笑)の類は、内容が薄い割に物理的には分厚いので持ち歩きに向かない。

しかも、ビジネス書(笑)を読んでいるというのは自ら愚か者を喧伝しているようなものであり、平たく言えば恥ずかしい。
この手の本は自宅で読んで、しかも読んだ事を知人友人恋人家族に知られてはいけないものである。

新書であれば、凡人も勉強のために読むし、賢者もサラッとした情報収集のために読むので恥ずかしくない書籍なのであるが、読書慣れしていない人には難しいものが多い。


苦役列車 (新潮文庫)
西村 賢太
新潮社
2012-04-19



芥川賞は基本『短い話』が受賞するので、比較的読みやすいだろう。
問題は映画、ドラマ、バラエティ、アニメに毒された我々にとっては退屈この上ない作品が多いこと。

『苦役列車』なんか、ぶっちゃけ『ダメ人間がダメ人間のまま』っていうどうしようもないストーリー(その後小説家になるんだけど、それは後日談)で何がどう楽しいのかわからない。

ただ、芥川賞作品を読んでいること自体は恥ずかしくないし、何より短いから『脱読まない人』するためにはいいと思っている。


3・短編集を読む

いざ本を読もうとしても、はじめの数ページを読むだけで眠くなる人間もいるだろう(私はそういう人間の気持ちが理解できないが、そういう人間がいても不思議じゃない、という想像力を養えるのが小説を読む利点である)。

じゃあ、もう、数ページでオチが来る物語を読むしかなくなる。


ボッコちゃん (新潮文庫)
星 新一
新潮社
1971-05-25



星新一のショートショートは数ページで起承転結きっちり終わらせてくる。
数ページ読んで眠くなるなら、眠くなるタイミングで話が1つ終わる。
1日1話、寝る前にでも読んで、コツコツ地道に読み進めて最終的に読破する頃には、少し読書体力がついているだろう。


4・知ってる本を読む

小説原作の映画や、映画のノベライズはよくある話。
見た映画は『既に知っている』分だけ、小説を読む時のストレスが減る。


小説 君の名は。 (角川文庫)
新海 誠
KADOKAWA / メディアファクトリー
2016-06-18



または、自分の仕事に関係していれば読みやすいだろうか。





自分の仕事に関連するお仕事小説なら「わかるー」やら「あるあるー」やら「さすがにそれは嘘でしょー」やら言っているうちに読めてしまったりする。
ちなみに『女子大生会計士の事件簿』は(物理的に)薄い本でもある。


5・詩集を読む

中原中也詩集 (新潮文庫)
中原 中也
新潮社
2000-03-29






短さを突き詰めると詩や短歌、俳句になる。

ここまで来ると『果たしてそれは読書なのか問題』が勃発するわけだが、文字を読まないで生きてきた人間が詩集を読むようになった、というのはピーマン苦手な子供がピーマン入りのハンバーグを食べるようであり、カナヅチがとりあえずプールに浮くことを覚えるようでもあり、つまり0を1にする行為であり、称賛すべき一歩なのである。


6・まあ、本屋に行けよ

私の過去からヒントとなりそうなものをいくつかあげさせてもらった。

しかしながら、1人として同じ人間がいないのだから『誰でも本読みになれる魔法のメソッド』のような自己啓発本のタイトルになりそうなものは存在しない。

自分の足で本屋で実物を見て「これなら読めそうだ」「これなら面白そうだ」から始めるのがやはり王道である。と、自分で気づいた頃には愚か者じゃなくなっているだろうよ。