マイ愛すくりーむと申します。
一人称はアイスクリームです。


方々で話題になったりならなかったりしている高度プロフェッショナル制度(以下、高プロ)だけれど、わざわざこのブログまで見に来る人というか、この制度に関心あるような勉強できる人にはアイスクリームから解説できることは何もない。


したがって、細かい説明は省略します。
丁寧な説明をしている記事なんていくらでもあるので、まずお勉強したい方はそちらをどうぞ。



1・制度の理念や考え方に違和感はない

高プロの対象となるいわゆる『高度人材』の仕事ってざっくり言えば

長く働けば成果が出るってもんじゃない
定時に出社すれば成果が出るってもんじゃない
なんなら自宅だろうがノートPC持って旅行先で仕事しようが成果が出る時は出る

といった特徴があります。

何処で何時間働いたか ≠ 成果
な仕事に対して、残業したから給料上げるとか遅刻が多いから給料下げるとか、そんなしょうもない事で評価するなんてナンセンスじゃね?


これがザクッとフワッとした高プロの考え方。


アイスクリームは以前『コンサルめいた仕事』をしていたので、近い経験はある。


2・とある高プロめいた仕事はこんなだった

月曜の朝、会社支給携帯に上司から
『水曜までに〇〇~〇〇をやっておいてください。作業場所は問いません
というメールが来る。

家でパソコンを起動、業務内容を整理する。
……なるほど、これなら別に家でできるな。相談も電話で済むし。

家でできると判断ついたのでスーツを脱いで普段着に着替えて、ノートPCで出社打刻してポチポチとエクセルをいじり始める。

途中で資料の不足に気が付いたので夕方にクライアントへメール。
退社打刻してノートPCを閉じる。


火曜日の朝、寝間着のまま布団の中でノートPCを起動して出社打刻。

メールチェックをして異常がないのを確かめ、月曜日からの作業を継続する。

昼ごはんは家の近くの定食屋で済ませる。
周りがスーツなのに自分だけ油断しきった寝間着なのが少し恥ずかしいが、仕事はしているんだから文句を言われる筋合いもあるまいて。

昼頃にクライアントから追加の資料がメール添付されてくる。
お礼ついでにいくつか質問事項を送る。

定時には作業の9割方が終わる。
上司に「明日の午前には終わりそうですけど」と電話で聞くと「じゃあ午後は遊べばいいんじゃないですか?」と言われた。

「午後休より、全休だろう!」
少しやる気が出て結局その日のうちに終わらせてしまう。

退社打刻と残業申請してノートPCを閉じる。


水曜日、上司に「昨日やっちゃったので今日は全休でいいすか?」と聞くと「クライアント報告する作業時間が足りないんで、今日は働いたことにしてもらえます?」と言われる。

これは「何をしててもいいけど出社打刻と退社打刻はしてくれ」という意味で、その通りに出社打刻、終日読書にふける、退社打刻のコンボを決める。


大量のフェイク混じってますし、極端な3日間でしたが、昔はこんな感じの仕事をしていました。

もちろん、平常運転時はスーツ着て客先で終電までカタカタ手を動かすこともありましたし、徹夜上等な日もありました。
それはあくまで成果のみを求められる仕事だったからです。

『残業しようがしまいが、サボろうがサボるまいが構わない。会議がないなら有給とって構わない。客先に用事がないなら家にいても構わない。でも期日までに絶対に終わらせろ


この3日間の行動の良しあしは別にして、
「もはや定時だとか残業だとか休日だとか関係ない」
そういう仕事があるんだという事が伝わると幸いです。


さて、このようにですね、理屈だけですと高プロは必ずしも悪くないんですが、仕事の現場を知るといかにヤバいかがわかってきます。


キーワードは《評価基準》と《権限》です。


3・本当の問題①《評価基準》

さて、純粋に結果のみが評価される仕事ですと長時間労働が必ずしも美徳とはなりませんし、やるだけ無駄なこともあります。
難しいと思われた仕事が実は秒殺だったりします。
方や、秒殺に見える仕事が3日間の徹夜必至だったりもします。

おそらく、仕事が高度になるほど、言葉通り高度でプロフェッショナルな仕事になるほど仕事の難易度を客観的に評価しにくくなります。

さらに、技術革新や法改正、行政の判断によって仕事の難易度が乱高下します。

所要時間や難易度を客観視できない仕事で公正な評価基準(つまり年俸の判断基準)を作るのはさらに困難です。

上司は「自分がやった事がない仕事の難易度を知らないまま、部下の成果を評価する」のです。


4・本当の問題②《権限》

純粋に結果のみが求められる仕事であれば、理屈では過程で何をやっても許されるはずです。

本当の問題は、実際は何をやってもいいわけではない、ということです。

新技術が使われた機材やシステムの導入を検討するとします。
一般的な事業会社では、そこに予算の制約があり、さらに上長の承認が必要となります。

『必要ならいいよ好きにしなよ』という太っ腹な社長ならいいです。
しかしこのご時世、まだまだ『そんなもん気合いと根性でなんとかしろ』と言い出す昭和価値観の社長がまだまだ多いでしょう。

しかも60代70代のトップに限って新技術の導入を『よくわからない』というトップとしての資質を疑う理由で却下します。

結果しか評価しないけど過程もガチガチに縛る、というのは権限は与えないが責任は負わせるがという矛盾した思想なのです。


5・まとめると

高プロという制度は理屈的にはご立派かもわかりません。
しかし、実際の現場では

① どうしても恣意性が混じってしまう仕事で
② 権限は与えないけど責任はとってもらう

という事態が横行する予感がしています。

結果、高プロの人は定額働かせ放題で1075万円じゃ足りないレベルの仕事をやらされ、最後にぶっ潰されることになるんでしょうね。


日本の事業会社を知らない人が制度を作るとこんなにも机上の空論になるのか、とちょっと勉強になりましたよ。


結論:(まだ僕には関係ないけど今のうちに)反対